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しゅふとしんぶん

主婦と新聞

宮本 百合子

「東京民報」1948(昭和23)年11月7日号

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 729 字 · 2 页

青空文庫

十一月一日の各新聞のすみに、読者調整のカードがすりこまれていた。

そのカードには、現在どんな新聞をよんでいるか、これからどんな新聞が読みたいかを書きこむ欄があって、希望新聞の名を書けばその新聞へ切りかわることができるしくみになっていた。

何年もの間、読みたい新聞を読めずにいたわたしどもは、これをめずらしいことと思ったが、さてと考えてみると、奇妙な感じがした。書きこみのカードのすられている十一月一日の朝日も毎日も四ページで、大々的にスポーツをとりあげていた。月曜日にあたる日は四ページで、しかもスポーツを派手にあつかうその社のおきまりの企画なのだろうか。それとも、このごろのスポーツの流行にことよせて、一家の中で新聞を読むのは男だけだという点をとらえて、読者確保にのり出したのだろうか。

家庭の主婦の民主化の問題、選挙への積極的な関心がいわれるとき、わたしたちは新聞を読むひまさえもないというのが、痛切な主婦の声としてあげられた。女が読まない新聞を、男のちょいと気をひく記事のあんばいで余計売って大資本の新聞ばかりを残し、資本は小さいけれども婦人の社会的地位にも積極的な関心を示す諸新聞をつぶす結果になるならば、問題は婦人にとって新聞だけのことではなくなって来る。