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らんぽぶんせき
乱歩分析
大下 宇陀児
「別冊宝石」1954(昭和29)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,427 字 · 17 页
と書いたが、実はこれは彼自身のことだと見てよいだろう。つまり、文中の明智小五郎を江戸川乱歩と書きかえればよいわけである。彼は、ひとかどの伊達男に変貌しつつある。昔は、主として和服だった。しかも、たいそう渋い好みの高価なものを着ていた。終戦後、服が多い。はでなアロハを着ていたこともあり、それがこのごろは、英国風のガッチリした伊達男になりつつある、というわけである。
――某誌の座談会で江戸川乱歩のことを、作家活動をしないでいるのに、その属する探偵文壇の王座にいるのが、まことに不思議だとしてあった。
はたから見るとそうだろう。
けれども彼は、書かなくても、探偵小説を離れたことがなかった。海外探偵小説を刻明に解説紹介し、飽くことなく、本格探偵小説の主張を叫び続けてきた。
小酒井不木、甲賀三郎、浜尾四郎、夢野久作、小栗虫太郎、海野十三などはいなくなったが、彼はますます元気で、なお長く探偵文壇の王座に坐り続けるだろう。但し、小説を書くかどうか、ということは、実をいうと、彼が金を持っているかどうかによってきまるという見方もないではないようだ。彼は、金づかいがある程度に荒っぽいという、人に好まれる素質をもっているが、金がなくなったら、いやでも働かねばならないから、その時は例の綿密な設計をやり、そして小説を書くのだろう