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じじつとかんそう

事実と感想

小川 未明

「早稲田文学」1926(大正15)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,898 字 · 4 页

青空文庫

文壇の転換期

たからです。

村から学校へ通う女学生の風俗すら、その時分と比較してみれば変わりようも甚だしければ、また弁当箱を下げて、近接した町の小会社や、工場へ通勤する青年の数も多くなったのに驚かされます。

これを見る時に、やがては田園は破産して工業化してしまうであろうと思うことは仮に早計であったとしても、資本主義化されつつあるのを感じないわけにはいかないのです。

真理の進行というものが、一定の段階を踏んで行くものであり、飛躍することもないかわりに、また何人の力をもってしても、その行進を停めることができないとしたら、またそのことが、すでに真理であるなら、今日の農村が、ふたたび原始的の状態に帰るものではないといわれたことがうなずかれる。

古い夢の減じつつある農村には、いまや新しい希望が生まれなければならぬ時に際会しています。その新しい希望は決して、無智と無自覚が幸福であった、その時代の生活ではない。いかに人類が共通せる悩みと苦痛から脱れうるかという問題にほかならないでありましょう。

文壇の転換期

ジャーナリズムが文壇を賑わしていたのであって、その糸を引いたものは、資本主義であった。