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ににろくじけんについて
二・二六事件に就て
河合 栄治郎
「帝国大学新聞」1936(昭和11)年3月9日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,745 字 · 6 页
四
に如くはない。
或は人あっていうかも知れない、手段に於て非であろうとも、その目的の革新的なる事に於て必ずしも咎めるをえないと。然し彼等の目的が何であるかは、未だ曾て吾々に明示されてはいない。何等か革新的であるかの印象を与えつつ、而もその内容が不明なることが、ファッシズムが一部の人を牽引する秘訣なのである。それ自身異なる目的を抱くものが、夫々の希望をファッシズムに投影して、自己満足に陶酔しているのである。只管に現状打破を望む性急焦躁のものが、往くべき方向の何たるかを弁ずるをえずして、曩にコンムュニズムに狂奔し今はファッシズムに傾倒す。冷静な理智の判断を忘れたる現代に特異の病弊である。
四
由来国軍は外敵に対して我が国土を防衛する任務を課せられて、国軍あるが為めに国民は自ら武器を捨て、安んじて国土の防衛を托したのである。
国軍はそれだけで負担し切れぬほど重大な使命を持っている。将兵化して政治家となるほどに、国軍は為すべき任務を欠いでいるのであろうか。若しその任務たる国防を全うするをえない事情にあるならば、真摯にその旨を訴えるべき他の適当の方法がある筈である。