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ふたりまちやっこ
二人町奴
国枝 史郎
「少年倶楽部」1927(昭和2)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,555 字 · 19 页
止むを得ぬ儀、貴殿と拙者、ここで果し合い致しましょう」
「左様さ」と云ったが土岐与左衛門、承知するより仕方なかった。
「よろしゅうござる、お相手致そう」
それから部下をジロリと見たが、
「これ貴殿方、助太刀無用、我ら二人だけで立ち会い致す。よろしいかな、お心得なされ」
こうは云ったが眼使いは、その反対を示していた。一同刀を抜き連らね、一斉に引っ包んで打って取れ。よいかよいかと云っているのである。
「いざ」と云うと土岐与左衛門、大刀サッと鞘ばしらせた。
グーッと付けたは大上段、相手を呑んだ構えである。
「いざ」と同時に十三郎、鞘ばしらせたが中段に付けた。
シ――ンと二人とも動かない。
春陽を受けて二本の太刀、キラキラキラキラと反射する。
それへ舞いかかるは落英である。
ワ――ッと群集は鬨を上げた。だが直ぐに息を呑んだ。と、にわかに反動的に、浅草の境内ひっそりとなり、昔ながらに居る鳩の啼声ばかりが際立って聞こえる。
土岐与左衛門これも免許、その流儀は無念流しかも年功場数を踏み、心も老獪を極めている。
相手の構えを睨んだが、
「油断はならぬ。立派な腕だ。しかし若輩、誘ってやろう」