轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
学徒は動員され、女子どもも勤労奉仕に出る。あらゆる神社の境内は枯葉一枚ものこさず清掃されていた。それが国民生活だと大吉たちは信じた。しかし、山へどんぐりを拾いにゆき、にがいパンを食べたことだけは、いやだった。小さな大吉の村からも幾人かの少年航空兵が出た。
――航空兵になったら、ぜんざいが腹いっぱい食える。
かわいそうに、年端もいかぬ少年の心を、腹いっぱいのぜんざいでとらえ、航空兵をこころざした貧しい家の少年もいた。しかもそれで少年はもう英雄なのだ。貧しかろうと、そうでなかろうと、そこへ心を傾けないものは非国民でさえあった時世の動きは、親に無断で学徒兵をこころざせば、そしてそれがひとり息子であったりすれば英雄の価値はいっそう高くなった。町の中学では、たくさんの少年志願兵のなかに親に無断のひとり息子が三人も出て、それが学校の栄誉となり、親たちの心を寒がらせた。そのとき、小さかった大吉は、じぶんの年の幼なさをなげくように、
「ああ、早くぼく、中学生になりたいな」
そして歌った。
ナーナツ ボータンハ サクラニイカーリ……
人のいのちを花になぞらえて、散ることだけが若人の究極の目的であり、つきぬ名誉であると教えられ、信じさせられていた子どもたちである。