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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
磯吉、竹一、松江、ミサ子、マスノ、順々に見ていって仁太のところへくると、思わずふきだした。あんまり仁太がきばりすぎているからだった。つめている呼吸が、いまにも、うううともれて、うなりだしそうにかたくなっている。気をつけのその姿勢は、だれが見たって笑わずにいられるものではなかった。マスノとミサ子のほかは、生まれてはじめて写真をとったということで、だいたい、みんなかたくなっている。そのなかで仁太と吉次はとくべつであった。仁太とは反対に、身をすくめ、顔をそむけ、おまけに目をつぶっている吉次は、ふだんの小気さをそのまま映しだされているようで、かわいそうにさえ思えた。
かわいそうにキッチン、こわかったんだろう、写真機の中から、なにがとびだすかと思ったんだろう……
ひとり写真をながめて笑っているところへ、本校の校長先生がきた。その声をきくと、こんどは大石先生のほうが、思わず気をつけのようになって玄関に出ていった。松葉杖ははなれていたが、まだまだびっこの歩きぶりを見ると、校長先生はちょっと眉をよせ、気のどくがった顔で見ていた。
「ひどい目にあいましたな」
「はあ、でも、ずいぶんよくなりました」