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にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

两个男人漫无目的地散步闲聊,从寺庙到马掌,看似无聊的对话里藏着什么?一场暴风雨即将打破这份悠闲。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,466 字 · 60 页

青空文庫

「ふうん。とうとう小手を取られたのかい」

「とうとう小手を取られたんだあね。ちょいと小手を取ったんだが、そこがそら、竹刀を落したものだから、どうにも、こうにもしようがないやあね」

「ふうん。竹刀を落したのかい」

「竹刀は、そら、さっき、落してしまったあね」

「竹刀を落してしまって、小手を取られたら困るだろう」

「困らああね。竹刀も小手も取られたんだから」

二人の話しはどこまで行っても竹刀と小手で持ち切っている。黙然として、対坐していた圭さんと碌さんは顔を見合わして、にやりと笑った。

かあんかあんと鉄を打つ音が静かな村へ響き渡る。癇走った上に何だか心細い。

「まだ馬の沓を打ってる。何だか寒いね、君」と圭さんは白い浴衣の下で堅くなる。碌さんも同じく白地の単衣の襟をかき合せて、だらしのない膝頭を行儀よく揃える。やがて圭さんが云う。

「僕の小供の時住んでた町の真中に、一軒豆腐屋があってね」

「豆腐屋があって?」

「豆腐屋があって、その豆腐屋の角から一丁ばかり爪先上がりに上がると寒磬寺と云う御寺があってね」

「寒磬寺と云う御寺がある?」

「ある。今でもあるだろう。門前から見るとただ大竹藪ばかり見えて、本堂も庫裏もないようだ。