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にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

两个男人漫无目的地散步闲聊,从寺庙到马掌,看似无聊的对话里藏着什么?一场暴风雨即将打破这份悠闲。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,466 字 · 60 页

青空文庫

その御寺で毎朝四時頃になると、誰だか鉦を敲く」

「誰だか鉦を敲くって、坊主が敲くんだろう」

「坊主だか何だか分らない。ただ竹の中でかんかんと幽かに敲くのさ。冬の朝なんぞ、霜が強く降って、布団のなかで世の中の寒さを一二寸の厚さに遮ぎって聞いていると、竹藪のなかから、かんかん響いてくる。誰が敲くのだか分らない。僕は寺の前を通るたびに、長い石甃と、倒れかかった山門と、山門を埋め尽くすほどな大竹藪を見るのだが、一度も山門のなかを覗いた事がない。ただ竹藪のなかで敲く鉦の音だけを聞いては、夜具の裏で海老のようになるのさ」

「海老のようになるって?」

「うん。海老のようになって、口のうちで、かんかん、かんかんと云うのさ」

「妙だね」

「すると、門前の豆腐屋がきっと起きて、雨戸を明ける。ぎっぎっと豆を臼で挽く音がする。ざあざあと豆腐の水を易える音がする」

「君の家は全体どこにある訳だね」

「僕のうちは、つまり、そんな音が聞える所にあるのさ」

「だから、どこにある訳だね」

「すぐ傍さ」

「豆腐屋の向か、隣りかい」

「なに二階さ」

「どこの」

「豆腐屋の二階さ」

「へええ。そいつは……」と碌さん驚ろいた。