轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じんせいあんない

人生案内

坂口 安吾

「キング 第三〇巻第一一号」1954(昭和29)年9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,201 字 · 21 页

青空文庫

二ヵ月目か三ヵ月目にやっとニコヨンちょうだいできる定めだそうで、アブレればそれまで、これだけで一家は支えられない。女房が子供の世話をみながら内職してどうやらその日その日をくらすことができた。

虎二郎がニコヨンになって何事に最も苦しんだかというと、新聞がよめないことだ。新聞を購読する金は彼にもないが、相棒のニコヨンにもない。新聞が読めない時はどうするかという人生案内の指南をあおぐわけにもいかないので、ハタとこまった。

「なア、お竹。物は相談だが、お前、新聞配達にならねえか」

「あれは子供のアルバイトだよ。いくらにもなりゃしないよ」

「それじゃア、ウチのガキを」

「まだ六ツじゃないか」

「六ツじゃいけねえかなア。それじゃア……」

と言葉をきったが、それじゃア仕方がないとあきらめたワケではない。それじゃア一ツ拙者がなろうと考えたのである。ニコヨンにまで落ちぶれて貧乏のあげく人生案内を読むことも書くこともできなくては生きているカイがない。そこで彼は新聞の販売店へでかけて行った。販売店のオヤジは世の中には物の道理の分らない奴がいるものだとつくづく呆れたのである。

「新聞配達は子供のアルバイトだよ」