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ロボットさつがいじけん
人造人間殺害事件
海野 十三
「新青年」博文館、1931(昭和6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,836 字 · 18 页
と朱色の記号が彫ってあり、それは死ぬまで決して消えはしないのである。
僕は時間をはかり、すこし早や目の時刻に倶楽部へ着いた。会議室のホールには、ただ一人の先客があるばかりであった。その先客は、だらしなく卓子に凭れたまま眠りこけていた。僕は、そのうしろに廻って、静かに抱き起こすと、別室に退いた。
会議がはじまるときには、十三人の会員が全部揃って、粛々と円卓子の囲りをとりかこんだ。首領が立って説明した会議事項は、亜細亜製鉄所に、空前の盟休が起ろうとしていること、なおその盟休は政治的意味が多分に加わっていて、所長の保管する某大国との秘密契約書などを、今夜の深更十二時を期して他へ移す必要のあること、それについて全会員が任務について貰うこと、などであった。団員は、それに対して、唯、諾か否かを表示すればよい。首領以外の者は、絶対に口を利くことを許されない規定であったが、これは恐らく各団員の正体が決して知られないこと、従って団員は外に在って生活していても、けっして他から海龍倶楽部のメンバーであることを知られずにすむようにと、実に徹底した規定があるのであった。団員は会議事項の全部を承認した。