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ものをこわすのがしょうばいじけん
什器破壊業事件
海野 十三
「大洋」1939(昭和14)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,352 字 · 31 页
そしてその翌朝、貴女は自分でハガキを入れにポストまで持って出るんです。いいですか」
「大花瓶を壊すことは分りましたが、翌朝ハガキを投函にいくといって、なんのハガキをもって出るのですか」
「誰あてのでもいいですよ。――それから大事なことは、けっして女探偵だと悟られないように振舞ってください。ものを壊すにしても、良心にとがめるといったような菩提心を出さないで、こんな壊れ物を扱わせるから壊れるんじゃないの……ぐらいの太々しさでやってください。なにしろすこしにぶい小間使らしく振舞ってください」と、帆村は自分の脳天に指をたてた。
「まあ、たいへん骨が折れますのねえ」
「まあ、そういわないで、やってください。主人公が何をいっても何をしても、例のすこしにぶい小間使の要領でいくんですよ」
「そんなことをして、どうしようというんですの。一体どんな事件なんですか。あたしにすこしぐらいお明かしになったっていいでしょう」
「ううん、それがいけない」と帆村は大きく頭をふり、
「そのように貴女が探偵気どりでいちゃいかんです。あとのことは僕がうまくやるから、貴女はなにも愕かないで筋書どおりやってください。