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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页

青空文庫

「あやめや……お前までが……この屋敷へ! ……いいえいいえ生みの家へ……おおおお帰っておいでだったのか! ……あやめや、あんまりな、あんまりな言葉! ……悪女とは! 懺悔するかえとは! ……わたしは、あれから、毎日々々、涙の乾く暇もないほどに、後悔して後悔して……」

「お黙り!」と絹でも引裂くような声が、――あやめの声が遮った。

「わたしは先刻から雨戸の隙から、お前さんたちの様子を見ていたのだよ。……お葉がお前さんを引っ張って、この二階へ連れて来ようとするのに、お前さんは行くまいと拒んでいたじゃアないか……ほんとうに後悔しているなら、日夜二階の部屋へ来て、香でも焚いて唱名して、お父様の菩提を葬えばよいのだ! ……それを行くまいとして拒むのは、……」

「あやめや、それも恐ろしいからだよ。……あのお方の怨みが恐ろしく、わたしの罪業が恐ろしく、その館が恐ろしく……」

「おおそうとも、恐ろしいとも! この館は今も恐ろしいのだ! ……恐ろしいのも色々だが、今のこの館の恐ろしさは、又もやむごたらしい人殺しが、行なわれようとしていることさ!」

「また人殺しが? 誰が、誰を?」