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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页
植木師の一隊
「どうしてお偉いお祖師様のことを、飛加藤の亜流などというのでしょう?」
「祖師様のなさるいろいろの業が、忍術使いのまやかしの業のように、人達の眼に見えるからだよ」
「お爺さん、あなたもそのお祖師様の、信者のお一人なのでごさいますのね」
「ああそうだよ、信者の一人なのだよ」
「お爺さんのお名前、何て有仰るの?」
「世間の人はわしの事を、飛加藤の亜流だと云っているよ」
「ではもしやお爺さんが、そのお偉いお祖師様では?」
しかし老人は返辞をしないで、優しい意味の深い微笑をした。
三人は先へ進んで行った。
背中の猿は眠ったと見えて、重さが少し加わって来た。それを女猿廻しは揺り上げながら、
(実家を出て十年にもなる。流浪から流浪、艱難から艱難、いろいろのお方とも出入りを重ねたが真底から偉いと思ったお方は、このご老人の他にはない。このお方がきっとお祖師様なのだよ)
(でも妾は一生の大事業の、その小口に取りかかったのに、こんなお爺さんと連立って、こんなお話をして歩くなんて、よいことだろうか悪いことだろうか?)
こうも彼女には思われるのであった。
三人は先へ進んで行った。