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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页

青空文庫

「叱!」「叱!」という例の声が、植木師の声などとは思われないような、威嚇的の調子をもって、一際高く響きわたり、ふいに行列が立ち止まった。

数人の植木師が走って来て、一所へ集まって囁き合い、ひとしきりそこに混乱が起こった。

がすぐに混乱は治まって、一隊は粛々と動き出し、林は先へ進んで行った。しかし見れば往来の一所に、黒い大きな斑点が出来ていた。

按摩の死骸が転がっているのである。

「お爺さん!」と恐ろしさに女猿廻しは叫んで、老人の腕に縋りついた。それを老人は抱えるようにしたが、

「障わったからじゃ。……殺されたのじゃ」

「何に、お爺さん、何に障わったから?」

「木へ! そう、一本の木へ!」

それから老人は歩き出した。三人はしばらく沈黙して歩いた。道がまた辻になっていた。

それを右へ曲がった時、屋敷勤めの仲間らしい男が、仰向けに道に仆れているのが見えた。

その男も死んでいた。

「お爺さん、またここにも!」

「障わったからじゃ。殺されたのじゃ」

「お爺さん、お爺さん、あなたのお力で……」

「あの木で殺された人間ばかりは、わしの力でもどうにもならない」

悪魔の一隊は今も近くの、裏通りあたりを通っていると見え、そうして又も人を殺したと見え、