轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こんにちのぶんがくのしょそう

今日の文学の諸相

宮本 百合子

「都新聞」1940(昭和15)年11月28日~12月2日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,522 字 · 17 页

青空文庫

このことは、たとえば『文芸』の選に当って一つの作品がポオの有名な「アッシャア家の没落」を題材にしていることを明かに指したり、他の或る作品が百分の一チェホフの「六号室」と百分の五の「決闘」をもっていることをあげているのが宇野氏ただ一人であるというような、些細のようで案外文学の実質の鑑別力としては意味のふかい例となっても現れて来るのである。

四

広津和郎氏の「巷の歴史」宇野浩二氏「器用貧乏」「木と金の間」をはじめとして、今年は系譜的な作品がどっさり書かれた。十二月の作品も寒川光太郎氏「嶺」半田義之氏「はずみ」野口富士男氏「河からの風」いずれも大別すれば系譜的な作品と云える性質をもっている。

今年特に系譜的な作品が多く現れたということは、現代の社会のどんな文学への現れなのだろう。

作年は素材主義の荒っぽさに対して、文学の文学性が再び顧みられたにつれて、短篇の真実さが見なおされた。長篇が本質の貧寒さから、時流におされて素材で押し出す傾に陥った対症として、作家が真のモティーヴをもって描く短篇のうちにのこされた文学性がかえりみられたのであった。