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こんにちのぶんがくのちょうかんず
今日の文学の鳥瞰図
宮本 百合子
「唯物論研究」1937(昭和12)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,298 字 · 24 页
小松清氏等によってヒューマニズムの提唱は日本にも移された。日本に於けるヒューマニズムの紹介は、社会主義的リアリズムがかつてそのように扱われたと同じに紹介の抑々から紹介者の意志の方向を加えて説明された。ヒューマニズムは、あらゆる人間的なるものを抑圧する強権に抗することを、そして人間性の新たなる主張を支持し、ファシズムに賛成しないものであるが、従来理解されていた意味でのマルクス主義の傾向とは異ったものである。プロレタリア文学ではない、もっと広いものである。として提唱された。
ここで私たちは誠に興味深い現象に遭遇した。能動的精神といい、ヒューマニズムといい、それぞれ熱心に討論されたのではあったろうが、社会全般の中で見ればやはり文壇をめぐっての抽象的な専門家間の論議に終っていたことである。この一二年来、日本の大衆の日常生活と生活感情とは、少なからずショックを受けるような出来事があった。経済的に、軍需工業関係者以外の一般人は、物価騰貴のため急速に貧困化している。文化的の面にもその貧困は響いて来ていると同時に、大衆の文化的内容そのものの質が、「依らしむべし。