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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

インフレーションはとめどがない。千八百円ベースは保ちきれなくなって、二千四百円ベース案を政府は提出しているが、勤労人民は、それをうけ入れかねている。千八百円ベースに、家族手当や残業手当その他の給与を加えて、今日どうやら実収二千円以上に近い程度の大多数の勤労者は、二千四百円ベースになると、却って実収は現在より減少する。勤労所得税がより高率にかけられることと二千四百円ベースには今日の諸手当が全部合算されてしまうからである。勤労人民が生活安定を求めて団結する力を扱いやすい形に分裂させるため、組合民主化運動と称する分裂運動が盛に行われている。この運動は、その本質にふさわしく買収の方法もとっている。一般市民の過重な課税に対する抗議と官公庁勤務者たちの生活安定のためのたたかいとは互に共通な生活擁護の必然を理解しあっている。

片山内閣は難航の末、一九四八年二月十日総辞職をした。すべてのジャーナリズムを動員して吉田の自由党支持の世論をまとめようとした。しかし一ヵ月後に辛うじて形成されたのは芦田内閣である。芦田内閣は、その第一歩において二千四百円ベースの問題で波瀾に面し、その反面では、西ヨーロッパにおけると同様に日本に対する集中排除法の緩和に関するドレーパー次官との折衝に尽力している。