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こんじゃくばなしサンドイッチへいだん

今昔ばなし抱合兵団

海野 十三

――金博士シリーズ・4――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,504 字 · 21 页

青空文庫

しまった。紐をつけて頸にかけていたが、途中で切れてしまったらしい。といって引返してまごまご探していようものなら、足の早い日本空軍の爆撃機は、私の知らぬうちに頭上へ現れるだろう。

私は泣き面に蜂の体たらくであった。

「入れてくださいよ。入壕証は、その辺で落として来たんですよ」

「その辺で落として来たんなら、これからいって拾ってくるがいいじゃないか」

「それが……」

役人は意地悪い顔つきで、私を睨みつけている。仕様がない。なけなしの財布の底をはたくより外に途がない。

私は、非常袋の中へ手を入れて、五千元の法幣を掴みだした。それをそっと、役人に握らせると、

「今日だけ、一つ頼みます」

「ううん。たった、これだけか。これだけでは……」

「ああ出します。もうこれで身代限りなんです」

と、私は更に三千元の法幣を掴みだして、かの役人の手に握らせた。

「よろしい。今度だけ大目に見る。この次は二万元以下じゃ、見のがされんぞ」

「へい」

私は急いで、役人の腕の下をくぐって、防空壕の中にとびこんだ。すると、ずんずんずんずずーんと、大きな地響が聞えてきた。もう爆撃が始まったのである。ぐずぐずしていると、防空壕の入口が閉ってしまうところであった。