轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えせものがたり

似而非物語

山本 周五郎

「週刊朝日涼風読物号」朝日新聞出版、1952(昭和27)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,817 字 · 64 页

青空文庫

「加賀百万石の浮沈にかかわる大事でございます」

幾兵衛は続けた。

「先生におかれても領内に御草庵をいとなまれます以上、かかる大事をよもやおみすごしはなされますまい、仮にいやだと仰せられても、てまえ役目として無理にもお迎え申さずにはおかぬ覚悟でございます」

「おらなんべんも云うだ、おら長威斎じゃねえだよ」

断じて先生ではない、それは大間違いである。杢助はけんめいに弁解した。だが尾井幾兵衛は耳にもかけなかった、しかもそこに鉄砲という武器のあることを暗示し、ついには部下と協力して、殆んど暴力的に杢助を担ぎだし、用意の輿に乗せてしまった。

「だからおら初めに云っただ」

輿の中で杢助は呟いた。

「こんなえせ(似而非)なことをして、なにか災難が起こるじゃねえかってよ、……先生はそんなこたあねえっつたでねえか、そんなことはある道理がねえって、……これでもある道理がねえだかえ、あのくわせ者が、これでも災難でねえっつうだかえ」

牛窪村でもすでにこの出来事は知っていた。留守村の人たちは残らず、道へ出て輿を見送った。黒門のお登女さまも出ていて、輿が通りかかると嬌めかしく杢助に挨拶した。