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かじつ
佳日
「改造 第二十六巻第一号」改造社、1944(昭和19)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,912 字 · 30 页
私は、どうせ、駄目な男と思われているのだから、先生に対して少しも気取る必要は無い。かえって私は、勝手気ままに振舞えるのである。その日、私は久しぶりで先生のお宅へお伺いして、大隅君の縁談を報告し、ついては一つ先生に媒妁の労をとっていただきたいという事を頗る無遠慮な口調でお願いした。先生は、そっぽを向いて、暫く黙って考えて居られたが、やがて、しぶしぶ首肯せられた。私は、ほっとした。もう大丈夫。
「ありがとうございます。何せ、お嫁さんのおじいさんは、槍の名人だそうですからね、大隅君だって油断は出来ません。そこのところを先生から大隅君に、よく注意してやったほうがいいと思います。あいつは、どうも、のんき過ぎますから。」
「それは心配ないだろう。武家の娘は、かえって男を敬うものだ。」先生は、真面目である。「それよりも、どうだろう。大隅の頭はだいぶ禿げ上っていたようだが。」やっぱり、その事が先生にとっても、まず第一に気がかりになる様子であった。まことに、海よりも深きは師の恩である。私は、ほろりとした。
「たぶん、大丈夫だろうと思います。北京から送られて来た写真を見ましたが、あれ以上進捗していないようです。