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ふしゅう
俘囚
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,938 字 · 31 页
と、その儘、あたしは気が遠くなった。
その次、気がついてみると、あたしはベッドのある居間とは違って、真暗な場所に、なんだか蓆のような上に寝かされていた。背中が痛い。裸に引き剥かれているらしい。起きあがろうと思って、身体を動かしかけて、身体の変な調子にハッとした。
「あッ、腕が利かない!」
どうしたのかと思ってよく見ると、これは利かないのも道理、あたしの左右の腕は、肩の下からブッツリ切断されていた。腕なし女!
「ふッふッふッふッ」片隅から、厭な忍び笑いが聞えてきた。
「どうだ、身体の具合は?」
あッ、夫の声だ。ああ、それで解った。さっき気が遠くなってから、この両腕が夫の手で切断されてしまったのだ。憎んでも憎み足りない其の復讐心!
「起きたらしいが、一つ立たせてやろうか」夫はそういうなり、あたしの腋の下に、冷い両手を入れた。持ち上げられたが、腰から下がイヤに軽い。フワリと立つことが出来たが、それは胴だけの高さだった。大腿部から下が切断されている!
「な、なんという惨らしいことをする悪魔! どこもかも、切っちまって……」
「切っちまっても、痛味は感じないようにしてあげてあるよ」