轻松读懂日语经典作品
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ぼくがかわいがるから
僕がかわいがるから
小川 未明
「台湾日日新報」1936(昭和11)年5月22日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,056 字 · 5 页
正ちゃんの、飼っている黒犬が、このごろから他家の鶏を捕ったり、うきぎを捕ったりして、みんなから悪まれていました。こんどやってきたら、鉄砲で打ち殺してしまうといっている人もあるくらいです。けれど、正ちゃんは黒犬をかわいがっていました。
「クロや、もう僕といっしょでなければ、出さないよ。ひどいめにあうからね。」と、いってきかせました。
クロは、尾を振って、正ちゃんの体に頭をすりつけて、クン、クンと喜んで鳴いていました。
「わかれば、もういいのだよ。僕は、おまえをかわいがってやるから。」と、いって、クロの頭を抱えて、その顔に自分のほおをつけていました。
しかし、お父さんや、お母さんは、クロを捨ててしまうといっていられました。そして、相談をなさっていられたのです。
「なにか、正二のほしいものを買ってやれば、いうことをきくかもしれない。」と、お父さんは、おっしゃいました。
「さあ、どうでしょうか。二輪車をほしいといっていましたから、犬を捨てたら、買ってやるといってみましょうか。」と、お母さんは、お答えなさいました。
「ああ、それがいい、きいてみてごらん。」と、お父さんが、いわれました。