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ひかりのなかに
光の中に
金 史良
「文芸首都」1939(昭和14)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,411 字 · 49 页
遠い北の方の空にはちぎれ雲の合間から、二つ三つ星さえ光り出していた。
「もう晴れそうだよ、ねえ、君、これから一緒に見舞に行ってみる?」
答えがない。見れば彼は蒲団をすっぽりと被っていた。
「父ちゃんは行ったのかい」
「行くもんか」後は蒲団の中でやや反抗的に云った。
「おかしな父ちゃんだね。母ちゃんが気の毒じゃないか」
「…………」
「それなら父ちゃんの所へは帰るつもりだね。父ちゃんだってきっとうちで心配しているよ」
「…………」彼は顔を出してすねたような目附をした。「僕はここでいいよ」
「うん、そりゃ……」私はしどろもどろ仕方なさそうに云った。「ここでもいいけれど……」
丁度数学の授業がひけたとみえて、廊下がどやどやざわめき出した。暫くするとドアにノックがして李が悄然と現われたが、山田の寝ているのを見るとはっと顔をこわばらせた。私はいささかあわて気味に、外へ出て話しましょうと彼を廊下へ連れ出した。
「先生は朝鮮人呼ばわりされるのに困って」と彼は罵るように叫んだ。「あいつをいよいよ抱き込もうと云う訳ですね」
「失礼なことを云うな」私はどうしたことか、かっとなって呶鳴った。