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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页

青空文庫

こうした印象は一度で、心中に同じ血を持っている後進者に同じ気魄を呼び醒すものだ。そうした感染力は実に大きい。子供のころの石畑一登君と、中学時代の岸範一君とが私に気骨の稜々とした或る美しさを影響したことは争われない。年少時代には師友のひとつの個性、性格の生きた雛型程その力と美しさとを感染さすものは無いのだ。

この岸範一君と中村憲吉君とがその頃「金色夜叉」を読んでは熱心に批評し合っていたのを覚えている。

彼等は荒尾譲介と間貫一との友情に感激していた。宮さん宮さんと言うような言葉は多少のきまり悪るさを以て話し合っていたようだった。あの「三百円のダイヤモンド。素晴らしいダイヤモンド。あれがダイヤモンド」とカルタ会の客たちの口々に伝わる個処の技巧、今では幼稚きわまるものだが、それを驚異の目で評判していた。

私たちはそれを側で聞きながら胸を躍らせたものだ。

が私が四年生になって白帆会の講演部委員になった時にはずっと大胆になっていた。私は会員の誰れ彼れに、貫一や、お宮や、譲介などを割り当てて、掛合いで、会の時に対話風に朗読させた。森山という発行部委員が地の文を朗読してその間をつなぐのだ。