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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页

青空文庫

たとえばめんこの勝負でも、めんこについてる狐を出すか、庄屋を出すか、その木山大明神にいのって決めたものだ。今日念仏申さるるようにすべてを決める私の生活法も、つまりはその同じ心のあらわれともとれる。

久しい間そのお札は誰れにも知られず、橋の裏に張ってあった。が或る日行って見ると、どうしたものかそれは見られなかった。それからいつとはなくそのことは忘れていった。木山大明神というのはどういう神かいまだに解らない。

しかし自分の神と、ひそかに黙契し、その守りとみちびきで物を決めるという心は、誰れにも教わらないのに、子供の心にあるものらしい。その神は万人の神であるにもせよ、自分の黙契し、自分の神でなくてはならない。イエスの神も、金光教祖の神もカルル・ヒルチイの神もそうだった。

天理教祖が

二ににっこり授けてもろたらやれたのもしや

と歌っている神だ。

「親鸞一人のために」五劫思惟してくれた仏だ。

ひそやかにたのしめと我にたまひつる

春やときはに花ぐもりして

こうした秘密の契りと法悦とのある心境がなくては、宗教は外面的な、薄っぺらな騒がしいものになってしまうであろう。

一つひろい世界を打ちまはり一せん二せんでたすけ行く