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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页

青空文庫

そして七つ、八つの時から病的徴候があらわれていた。頑固な半面に恐しく人のいいところがあり、それが普通でなく、今から思えば、早発性痴呆のあらわれであった。

私はこの子と席が並んでいた。

「しつしのしの竹しのんで、ほい」

という拳のようなものを私に教えてくれた。そして本で机を打って、拍子をとりながら、この拳をするのが得意であった。

それから放課後に鬼ごっこをしようと言って、私を残し、

「クラタのタクラ」

と節をつけて叫びながら私を追いかけた。それがとても愉快そうであった。他の子供たちは何がひびくのか芳正君を馬鹿にして遊んでやらなかった。いつも仲間はずれになっていた。郡視学の子なのと、母夫人の光で、先生たちは芳正君を重んじようと努めていたが、どうも致し方がなかった。しかしそれでも欠席することはなく精勤賞を貰っていた。そして何かの席で祝詞のようなものを読んだことが一度あったが、奉書を目八分にささげ持って、さすがに士族らしい位があった。どうも私の家とは仕付けが違う気がした。

が上級になるに従いだんだん成績が悪くなった。そして変人らしい徴候がまして、クラスの子供たちは仲間はずれにしたり、からかったりして、なぐさみものにしだした。