轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やつがたけにおいかえされる

八ガ岳に追いかえされる

梅崎 春生

「旅 第三二巻第八号」日本交通公社、1958(昭和33)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,431 字 · 5 页

青空文庫

遠藤君は絶望して、半病人みたいな顔になり、

「ひでえなあ。そりゃ約束が違うよ。ムチャだよ」

とぼやきながら、早々に自分の部屋に引き上げ、蒲団をかぶって寝てしまった。寝るには寝たが、ノミがいて、あまり眠れなかったそうである。

僕はぐっすりと眠れたが、これは酒のおかげで、翌朝は宿酔気味で頭がすこし痛かった。

外を見ると、天気はあまり良好じゃあない。どんより曇っていて、今にも雨が落ちて来そうだ。

朝食時に、斎藤さんは不機嫌に、窓の方ばかりを眺めていた。折角皆をここまで連れて来たのに、天気が悪いから機嫌を損じたのである。でも天気が悪いのは、斎藤さんの責任じゃない。

これに反して、にこにこ顔が遠藤君で、

「斎藤さん。この天気じゃダメですよ。次のバスで帰りましょうよ」

などと、しきりに言っているうちに、次第に天気が持ち直してきた。だんだん遠藤君の声が小さくなった。

午前八時。とにかく登ってみようということになり、宿屋に弁当をつくって貰った。その期に及んでも遠藤君は、自分だけ宿屋で待ってたいとか、お腹の具合が悪いとか、未練がましいことを言っていたが、奥さんに叱られて、やっと先頭に立って登り始めた。