轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やつがたけにおいかえされる
八ガ岳に追いかえされる
梅崎 春生
「旅 第三二巻第八号」日本交通公社、1958(昭和33)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,431 字 · 5 页
遠藤君を先頭に立てたのは、足弱だからであり、また油断をすると楢山節考の又やんのように、逃げ帰るおそれがあったからだ。僕はしんがりを勤めた。
実を言うと、私もあんまり登山は好きでない。くたびれるからだ。
初めの一時間位は、坂は坂だが、一応道らしいのがついており、それほどつらくなかった。皆して遠藤君をいたわりいたわり、十分ごと位に休憩してゆっくり登った。
たくさん木が生えているので、視野が全然開けない。空を仰いでも、見えるのは梢だけである。だからただ歩くだけで眺望をたのしむことができない。
それから道の様相が急変して、沢みたいな感じになってきた。
大石や中石がごろごろ重なり合い、雨期にはきっと、ここを水が流れるのだろう。その石から石へ飛び移りながら、登って行くことになった。
濡れている石なんか、つるつるすべるので用心しなけりゃならぬ。
前半の坂道で、八※岳組しやすしと考えた一行も、ここらあたりから少々音を上げ始めた。
順列もめちゃくちゃになって、遠藤君もトップからずり落ちて、しんがりになってしまった。しかし、もうここまで来れば、しんがりになったって、逃げ帰られるおそれはない。