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こうえんのはなとどくが
公園の花と毒蛾
小川 未明
「朝日新聞」1922(大正11)年6月26日~7月10日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 18,574 字 · 38 页
それらの若い女らは、ほとんど人間とは思われないほど、そして、なにかの獣のように、ころころとあたりを転げまわっているのです。しかし、いつかの女を探し出すことができなかった。彼は耳にしたうわさを思い出して、ほんとうに、あの女が死んだのではないかと思うと悲しくなりました。ちょうど、そのときであった。
「昨年、ご当地で、お目どおりいたしました娘は、さる地方において、俵を積み重ねまする際に、腹帯が切れて、非業の最期を遂げました。それにつきましても、命がけの芸当ゆえ、無事になし終わせました際は、どうぞご喝采を願います。」と、出方がいった。出方は、いい終わると、拍子木をたたいて小舎の奥へ入りました。
あらわれたのは、脊のすらりとした女でした。彼はどういうものか、去年ほどの感興を惹きませんでした。
「やはり、黒い腹帯が切れて、あの女は死んだのだ。」
彼は、こう思うと、いいしれぬむごたらしさを、かの女たちの身の上について感じたのでした。
この日は、町は、いつもと異なって、いろいろの夜店が、大門の付近から、大通りにかけて、両側にところ狭いまで並んでいました。
彼は、四つ角のところに、さまざまの草花を、路の上にひろげている商人を見ました。