轻松读懂日语经典作品
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こおるアラベスク
凍るアラベスク
妹尾 アキ夫
「新青年」博文館、1928(昭和3)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,278 字 · 20 页
しているのです。私はその女の顔をいつでもはっきり見ることが出来ます。巴旦杏型のぱっちりした眼はどこか私が子供の時に死んだ母の眼に似ていて、頬から頤にかけた線に、何とも云えぬ素朴な優しみがあります。そしてその顔全体が、あなたの顔とちっとも違わないのです」
彼女は何と云っていいか解らなかった。男の云うことは常識ではとても信じられないが、それかと云って、彼の態度や話の調子から判断して、出鱈目を云っているものとは決して思われなかった。
彼女が黙って聞いていると、男は調子にのって何時までも喋りつづけた。そして男の云うことは、すべて彼女に取って信じられないほど不思議で耳新しく、それも全然荒唐無稽であるなら、正確に相手を批判することも出来たが、彼の云うことは突飛ではあっても、まんざら一つの系統がないことはないので、余計に判断に苦しんだ。
どうせ聞いていても、別に損になるわけではないと思って、勝子は狐につままれた心地で、ただぼんやりと、恰度波に揺られる気持で相手の言葉に耳を貸していた。愛の言葉と云うものは、たとえそれがどんな形式で語られようと、女の耳にピアノと同じ響きを持つものであらねばならぬ。