轻松读懂日语经典作品
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こおるアラベスク
凍るアラベスク
妹尾 アキ夫
「新青年」博文館、1928(昭和3)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,278 字 · 20 页
三
「はあ」
「それァ、不思議だ! ちょっとこちらへ来てごらんなさい」
警部は二人を導いて、台所へ連れて行き、そこの戸棚の上の、壁にそなえつけてある電燈の計量器を指さした。
「よくごらんなさい。あの計量器の輪が動いています」
こう云われて、二人が眼を細くして仰いで見ると、なるほど、暗くてよくは見えないけれど、計量器の中の白い輪が、恰度蓄音器のレコードのように、たえずぐるぐる廻転している。
三
しばらく計量器を仰いでいた暮松は、ほッと長い溜息とともに警部を振返って、訝しげに眉をひそめて云うのであった。
「なるほど、不思議ですね! 計量器が動いているとすればどこかに電気が使ってなければならないですが……」
すると今まで始終黙っていた巡査がそばから口を出して、
「計量器から続いている電線を調べてみれば解りますよ。一つ私が天井に上って、電線を一つ一つ調べてみましょうか?」
「けれども」と、暮松は考深そうな落着いた声で、「こんなことは宮地君の行方とは何の関係もないことです、わざわざ天井にお上りにならなくてもいいでしょう」
警部はにやにや笑いながら、重々しい声で云った。
「天井には上らんでもいい。