轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はつつぼみ

初蕾

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1947(昭和22)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,525 字 · 35 页

青空文庫

半之助という者がありまだ十八の若さで、そんな老人の世話になることはなかったが、この頃になってお民は迷いはじめた、それはもう三月もからだが変調だからである。もしこれがまちがいでないとすると、そして半之助に迷惑が掛けられないとすると、少なくとも身二つになるまでは誰かの世話にならなければならない、それには十三で奉公に来たときから可愛がっても貰い、我儘もゆるして呉れた喜右衛門が誰よりも頼みやすかった。

――事情なんか訊かずに、なにもかもひきうけて呉れるだろう。

そう思っていた。いろけなどは二の次だと云うし、それが嘘でないこともわかるので、ことに依れば半之助との仲も黙認して貰えるかもしれない、そんな勝手な想像さえしていた。それで先夜ふと仄めかしてみたのだが、案外にも喜右衛門は承知しなかった。世話をする代りにはそういうものをすっかり始末しろと云われた。……それは相手が半之助だということを知っているからのようだった。二人の仲をさくためにそういう手段を講ずるようにも思えた。身勝手な空想はすべて破れ、二つに一つの現実へつき当ったのである。身の安全をとるか半之助をとるか。