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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

南方熊楠『十二支考(上)〔全2冊〕』。同一底本的分册已合并为一书。收入:十二支考、十二支考、十二支考、十二支考、十二支考。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 290,735 字 · 566 页

青空文庫

(付)狼が人の子を育つること

(完)(大正三年七月、『太陽』二〇ノ九)

(付)狼が人の子を育つること

『淵鑑類函』四二九に〈『後周書』曰く、突厥の先、匈奴の別種なり、隣国に破らるるところと為る、その族に一小児あり、草沢中に棄つ、牝狼あり、肉を以てこれを飼う、長ずるに及んで狼と交合し、ついに孕めり〉、さすがは畜生、人の児を育て上げてその子を孕み、十子を産んだのが突厥狼種民の祖という。また『地理志』、陝西慶陽府に狼乳溝あり、周の先祖后稷ここに棄てられたを、狼が乳育したという。

一昨年出た柳田氏の『山の人生』二〇章に、予の書翰に由って上述インドの事例を略叙し、「この種の出来事は必ず昔からであろうが、これに基づいて狼を霊物とした信仰はまだ聞かぬに反して、日本の山の神であっても、子供を取ったという話ばかり多く伝わり、助け育てたという実例はないようである」といわれた。ところが、インドに狼を氏に名のりその子孫と自信する者多く、狼を族霊(トーテム)とする部種また少なからぬ。上述通りウーズ州にもっとも狼害多いが、ここのジャンワール、ラージュプット族は狼と厚縁あり、その児女狼に食われず、時としてそのに養わると信ぜらるというから、突厥狼種と等しく、狼育人児の一件に基づいて狼を霊物としたのが少なからじ(一八九六年版、クルックの『北印度俗宗および俚俗』