轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちよこ

千世子

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 83,104 字 · 164 页

青空文庫

こんな事を云われてから千世子が自分とHとをどれだけ母親が案じて居るか、又どの位の事まで想像して居るかって云う事を知った。

「阿母さんは私とHさんがどうにかなってるんだと思ってるのかも知れない、若しそう思ってたって何も私がつとめて証明してそうでないと思わせなくっちゃあならない事でもなし又自然に分ってしまう事なんだから……」

こんな事を思ったっきりであった。そうしてその頃から書きかけて居た事をまとまらないながらも書いて居た。

千世子の仲良くして居るK子が、千世子が海辺に行って居た内一度も便りをよこさなかったと怒ったのももっともなほど段々よそよそしくそうして又段々、千世子には関係のうすいものになりかかって来て居た。

「ネエ、K子さん、あんたこの頃段々変って来る様じゃあありませんか、そいで又……」

前髪を高々と出したK子の小さい額を見てそう云う事も一度や二度ではなかった。そうした事のつづく毎に二人の心は段々と遠い所に向って進んで行った。

K子は御嫁の仕度に今までそんなに身を入れて居なかった家庭向の事に懸命になって今まで加なりに知って居た事考えて居た事はすっかり忘れた様になって、知って居る事と云えば先に覚えて来た事をそのままに守って文学と云うものにはうとくなって来るばっかりでそれに対する慾も一頃よりはよっぽど下火なある