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ちよこ

千世子

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 83,104 字 · 164 页

青空文庫

かないか位にほか過ぎなかった。

千世子はその人達を悲しい目で見ながら自分の進むべき事を張のある心で進めて行った。

「女の友達なんて――まして私達の年頃の友達なんて下らないもんですネエ、仲がよくなるとなるとすぐなるしはなれるとなるとすぐはなれて一寸だって未練なんてものはもたないんですものネエ。そして御嫁に行く事ばっかり考えて馬鹿になるのを知らないで居るんですもの。

もう一二年したら私は一人ぼっちになって仕舞うかもしれない」

こんな事を小学校時代からの自分の親友の話をして自分の事の様に嬉しがって居るHにする事もあった。物にはまってみやすい千世子はこの頃のK子の様子が気になって絶えず頭の中を行往して居た。一方には又真面目に自分を思ってて呉れるM子の事なんかもしきりと考えられて居た。

黄な日差しのむずかゆい様な日に午後から来たHは、両親とも留守だったんで千世子と二人で洋館に居た。他愛もない事に笑ったり考えた目つきをして御互の顔を見合ったまんまだまって居たり、ピアノを弾いたり歌をうたったりして居た。

「子供達もしずかだしいい日ですネエ、落ついて……」

「おだやかですワ、ほんとうにネエ」