轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちはやかんのめいろ
千早館の迷路
海野 十三
「ロック 増刊 探偵小説傑作選」1947(昭和22)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,829 字 · 50 页
それから考えると、田鶴子さんはわたくしたちへの悪意を持っているものとしか考えられないんですけれど……。いかがでしょうか」
「あの言葉はおよそ四つの場合に分析出来ると思いますよ。よくお考えになってごらんなさい」
「四つの場合でございますか。……さあ、どうして四つの場合が……」
「それは明日でもいいです。ゆっくりお考えなさい。今夜はもうやすんで頂きましょう。今、寝室を用意して来ますから」
「あ、わたくしの泊ることをお許し下さるんですね」
「ええ。その代り私はこの部屋で少し窮屈な寝方をしなければなりません」
「お気の毒ですわ」
「そして明日は田川君のアパートと、田鶴子の身辺を探って、田川君の所在をつきとめることにしましょう」
2
中に一日置いて、三月二十九日の朝のことだった。帆村荘六と春部カズ子の二人連が、栃木県某駅に降りて、今しも駅前から発車しようとしているバスに乗り移った。
このあたりは静かな山里で、あまり高くない山がいくつも重なりつつ、全体が南東へゆるやかな傾斜をなしており、そしてその反対の背後遙かには、奥日光の山々が、まだ雪を頂いて眩しく銀色に光っていた。