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はんしちざっかん
半七雑感
国枝 史郎
「新青年 新春増刊号」1926(大正15)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,946 字 · 6 页
だが十九歳の初働きだ。そうそう突っ込むにも及ぶまい。
彼の際立った特色は、「見込み」で人をショピかないことだ。あくまで証拠で押して行くことだ。これが名岡っ引の所以である。
彼は洵に細い物品から、探索の糸口を発見する。「お化師匠」の事件では、穏しい「蛇」によって手蔓を得「筆屋の娘」の事件では、一本の「筆」によって手蔓を得又「少年少女の死」の、その上の部の事件では、「手拭」一筋から手蔓を得た。
わけても上の部の事件では、鮮かな手並を現わしている。踊子が一人殺された。手拭が一筋落ちている。それに鉄漿の跡がある。で半七は断定した。「鉄漿をつけた或る女が、手拭の端を口で銜わえ、それで子供を絞殺したのだ」――で見物の女達を一人一人物色する。果然犯人は目付かったのである。僅々数時間で目付けたのである。
「帯取の池」の事件では、彼は犯人の居り場所を食物によって発見した。或る場末の女師匠が、犯人を自分の家へ隠していた。うすうす感付いては居乍らも、どうも証拠が目付からない。そこで下っ引の松吉に命じて、師匠の食物を調べさせる。その結果確実に知ったのであった。
「野郎は師匠の家に隠れているんだ。