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はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
「キング」大日本雄辯會講談社、1951(昭和26)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,997 字 · 44 页
そうして今日はこれまでの締め括り、最後の締め括りをつける筈なのである。
半之助がのびやかに歩いているのは、そういうわけであったが、それは二条町の馬場のところまでしか続かなかった。馬場の脇まで来ると、その馬場のまわりを囲んでいる桜並木の蔭から、とつぜん十五人の青年たちがとびだして来て、彼の前後左右を取巻いた。……これは思いがけなかった、少なからず吃驚して、いったいどうしたことかと見まわす眼の前へ、かの没頭弥九郎と玄武社の幹部たちが進み出た。
「この裏切り者」
と葵太市が喚いた。それに続けて「卑劣漢」とか「恥知らず」とか「ぺてん師」などという罵詈が唾と一緒に飛んだ。半之助はあいそよくにこりと笑い、静かにかれらを見まわしながら、
「どうしたんです、なんですいったい」
「黙れしれ者」没頭社長がもう一歩前へ出た。
「――しらばっくれるな、われらはみんな知っているんだ、きさまは埴谷城代を隠退させるために来た、にも拘わらず、きさまは城代におべっかを使い、ごまをすり、逆に城代を居据らせてしまったではないか」
「私が城代におべっかを使った?」
「竜神川の堤防を莫大な功績だと褒めたろうが」