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なんとうたん
南島譚
03 雞
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,935 字 · 18 页
「舟型霊代に余計な飾を付けたのは、先生(私のことだ)を喜ばせようと思ったからだ」などと言うこともある。模型は絶対に正確でなければならぬ、金が欲しさに怪しげな贋物を持って来てはならぬ、と私が厳しく言うと、大人しく頭を下げて帰って行く。その後当分はちゃんとした物を拵えて持って来るが、一月たち二月たつ中に、又、元の出鱈目に戻って了う。気が付いて、以前買上げた彼の製作品の全部を調べ直して見ると、迂闊にも半ば以上は極く気の付かぬ箇所で手の省かれた代物だったり、実際には存在しないマルクープ爺さんの勝手な創作だったりした。
当時パラオ地方に「神様事件」といわれるものが起っていた。パラオ在来の俗信と基督教とを混ぜ合せた一種の新宗教結社が島民の間に出来上り、それが治安に害ありと見做されて、「神様狩」の名の下に、其の首脳部に対する手入が行われていた。この結社は北はカヤンガル島から南はペリリュウ島に至る迄相当根強く喰込んでいたが、当局は島民間の勢力争いや個人的反感などを巧みに利用して、着々と摘発検挙をすすめて行った。警務課にいる一人の知人から偶々私は妙な話を耳にした。