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ゆうじょうにかんけいあるエッセイ

友情に関係あるエッセイ

戸坂 潤

「改造」1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,236 字 · 17 页

青空文庫

私も元来、そういう鈍感な人間の一人であるらしい。物は変るのが当り前だ、という気持ちが先に立って仕方がない。

そうは云うものの、私は身辺の百般の変化が、何と云っても気になってならないことを、自白せぬわけには行かぬ。そして、気になるとなると、普通の人が気にならない処まで気になって来るのである。古代哲人のような驚歎の能力はないに拘らず、神と動物との中間的存在とか云われる後世風の人間の、あの配慮や心配は私のものであり、配慮や心配は大きなものに就いてよりも寧ろ小さなものに向っての方が豊富である処から、私は今の処、ごくつまらない変化やごく曖昧な推移に、却って一層大きな関心を持たされるのだ。そして私は、この頃特に友人達のことが気になるのである。友人達について色々のささやかな微細なことが気にかかるのである。

予め断っておかなくてはならないが、私は何も友情というものを人生至上の価値に数えているわけではない。友愛の対象は唯の一人でなければならぬというような、モンテーニュ風の気持ちは全く持たない。友人は多ければ多いほど楽しいものである。併し一人の友人もなくても、それは又それだけに独特な楽しみがあり得ようとも考えている。