轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふるいど

古井戸

豊島 与志雄

「中央公論」1925(大正14)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,433 字 · 43 页

青空文庫

あくまでも庇ってやるのが本当です。」

「ですけれど……。」

「一体あなたは、余り人が善すぎるからいけないんです。松木さんがどんな考え方をして、どんなことをされてるか、あなたは御存じないのですか。」

「あの通り、何にも聞かしてはくれませんので……。」

「聞こうともなさらないんでしょう。」

「聞いたところが、わたしには何にも分りませんし、男の仕事に女が口を出すものではないと云われますと……。」

「よくそれであなたは、不安じゃないんですね。」

「わたし、こんな性分なものですから……。」

「それでも、光子さんが可愛くはないんですか。」

「ええ、それはもう……。」

「じゃあ、せめて光子さんのことだけなりと、もっとしっかりなさらなくっちゃ……。」

「自分でもそう思いますけれど……。」

「現に光子さんがどんな気持でいるか、お分りですか。」

「だからあなたに……。」

「聞いて貰うと仰言るんですか、自分の娘のことを……。」

そんな風に、彼は房子を云いこめてるうちに次第に気持が白けてしまって、口を噤んだ。馬鹿馬鹿しいのか腹が立つのか、自分でも分らなかった。そこへ暫くしてから、房子はふいに云った。