轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

「サンデー毎日」1925(大正14)年7月5日~10月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 149,286 字 · 301 页

青空文庫

「それはそうでございましょうな」

次郎吉はじっと考え込んだ。

「オイ和泉屋」と宗俊は、にわかにマジメな顔をしたが、「気をつけろよ気をつけろよ。あいつのことだ、じき帰って来よう。そうしたらやっぱりこれまで通り、お前をつけて廻そうぜ。あの細川の下屋敷以来、お前は睨まれているんだからな」

「ほんとに迷惑というものだ」次郎吉は変に薄笑いをしたが、「人もあろうに私のことを、鼠小僧だっていうんですからね」

「そいつあどうともいわれねえ」宗俊も変に薄笑いをし、「鼠小僧だっていいじゃねえか。俺ア鼠小僧が大好きだ。腐るほど持っている金持ちの金を、ふんだくるなあ悪かあねえよ」

「ほんとに迷惑というものだ」パチリと頬を叩いたが、「この片頬の切り傷だって、あの爺に付けられたんでさあ」

「あれはたしか五年前だったな」

「ほんとに迷惑というものだ」

「ところがことしの秋口から、鼠小僧は影をかくし、代りに出たのが評判の鼓賊、オイ和泉屋、玻璃窓はな、その鼓賊と鼠小僧を、同じ人間だといってるぜ」

「ふふん、どうだって構うものか。私の知ったことじゃねえ」

「おおそうか、それもいいだろう。が宗俊は苦労人だ。