轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

「サンデー毎日」1925(大正14)年7月5日~10月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 149,286 字 · 301 页

青空文庫

「へえ、本当に捕えたのか? ふうむ、どこで捕えたな?」「銚子だよ、去年の冬」「で、鼓賊の素性はえ?」「それだ」いうと平八は、会心の笑みを浮かべたが、「わしの眼力は狂わなかった。鼠小僧と同一人だった」「ふうん、そいつあほんとかね?」一閑斎は眼を見張った。

「嘘をいってなんになる。ほんとだよ、信じていい。……だがどうしてもショビケなかったのさ。しかしその時約束した。『天運尽きたと知った時は、わしの手から自首しろ』とな。『あっしの娑婆も永かあねえ。その時はきっと旦那の手で、送られることに致しましょう』こうあいつもいったものだ。それでおれは待ってるのさ。……ところでどうだこの二、三ヵ月、鼓賊の噂を聞かないだろうな?」「さようさよう、ちっとも聞かない」「それは鼓がこわれてしまって、もう用に立たないからだ。投げた拍子にこわれたのさ。そうしてそのためこのわしは、命びろいをしたというものさ。いや全く世の中は、なにが幸いになるか解りゃしない」感慨深そうに平八はいった。もちろんそれがどういう意味だか、一閑斎にはわからなかった。しかし平八は日頃から、嘘をいわない人物であった。