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ごじんのぶんめいうんどう
吾人の文明運動
大隈 重信
「東京神田青年会館で開催された大日本文明協会の講演会における講演」1915(大正4)年10月24日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,061 字 · 13 页
泥棒を捕えて縄を綯うようだが、なかなか油断してはいかぬ。敵国外患なきものは国常に滅ぶ。敵国が来るから、これから国民が努力して一生懸命奮発する。その意味に於て大日本文明協会の事業は決して全部とは言わぬが、文明的運動に疑いなく利益を与えるところの一なりと我輩は断言して憚らぬのである。
我輩のは概括した議論であるが、眼前行わせられる御大典を思い起し、それと同時に神武の事業を思い起す。これが王政を神武の古に復する明治維新の精神である。日本は三千年の古い帝国なりといえども、明治の気運は全く新たなり。ただ命維れ新たなり。世界的に活動を要する。欧州の大戦も早晩平和は来る。その時には平和会議に日本も、英国、仏蘭西、露西亜、独逸、即ち交戦国相互の間に同一の地位を保って参列する権利を有することとなっている。疑いなくこのたびの戦争に依って日本が世界的強国となったことは、この一事を以て証拠立てることが出来る。これで永久の平和が来るかといえばそうでない。喬木烈風多し。日本は段々大木となった。小さい中は宜かったが、大きくなったら大きな風が吹く。この風に抗抵する力を養わなければならぬ。