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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

空たり間たり天然居士噫」と大きな声で読み上る。「なるほどこりゃあ善い、天然居士相当のところだ」主人は嬉しそうに「善いだろう」と云う。「この墓銘を沢庵石へ彫り付けて本堂の裏手へ力石のように抛り出して置くんだね。雅でいいや、天然居士も浮かばれる訳だ」「僕もそうしようと思っているのさ」と主人は至極真面目に答えたが「僕あちょっと失敬するよ、じき帰るから猫にでもからかっていてくれ給え」と迷亭の返事も待たず風然と出て行く。

計らずも迷亭先生の接待掛りを命ぜられて無愛想な顔もしていられないから、ニャーニャーと愛嬌を振り蒔いて膝の上へ這い上って見た。すると迷亭は「イヨー大分肥ったな、どれ」と無作法にも吾輩の襟髪を攫んで宙へ釣るす。「あと足をこうぶら下げては、鼠は取れそうもない、……どうです奥さんこの猫は鼠を捕りますかね」と吾輩ばかりでは不足だと見えて、隣りの室の妻君に話しかける。「鼠どころじゃございません。御雑煮を食べて踊りをおどるんですもの」と妻君は飛んだところで旧悪を暴く。吾輩は宙乗りをしながらも少々極りが悪かった。迷亭はまだ吾輩を卸してくれない。「なるほど踊りでもおどりそうな顔だ。