轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

僕はあまり腹を立てた事のない男だが、あの時ばかりは失敬だと心から思ったよ。あの時の君の言草をまだ覚えているが君は知ってるか」

「十年前の言草なんか誰が覚えているものか、しかしあの石塔に帰泉院殿黄鶴大居士安永五年辰正月と彫ってあったのだけはいまだに記憶している。あの石塔は古雅に出来ていたよ。引き越す時に盗んで行きたかったくらいだ。実に美学上の原理に叶って、ゴシック趣味な石塔だった」と迷亭はまた好い加減な美学を振り廻す。

「そりゃいいが、君の言草がさ。こうだぜ――吾輩は美学を専攻するつもりだから天地間の面白い出来事はなるべく写生しておいて将来の参考に供さなければならん、気の毒だの、可哀相だのと云う私情は学問に忠実なる吾輩ごときものの口にすべきところでないと平気で云うのだろう。僕もあんまりな不人情な男だと思ったから泥だらけの手で君の写生帖を引き裂いてしまった」

「僕の有望な画才が頓挫して一向振わなくなったのも全くあの時からだ。君に機鋒を折られたのだね。僕は君に恨がある」

「馬鹿にしちゃいけない。こっちが恨めしいくらいだ」

「迷亭はあの時分から法螺吹だったな」と主人は羊羹を食い了って再び二人の話の中に割り込んで来る。