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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

「オタンチン・パレオロガスと云うんです。オタンチンと云うのが禿と云う字で、パレオロガスが頭なんでしょう」

「そうかも知れませんたい。今に先生の書斎へ行ってウェブスターを引いて調べて上げましょう。しかし先生もよほど変っていなさいますな。この天気の好いのに、うちにじっとして――奥さん、あれじゃ胃病は癒りませんな。ちと上野へでも花見に出掛けなさるごと勧めなさい」

「あなたが連れ出して下さい。先生は女の云う事は決して聞かない人ですから」

「この頃でもジャムを舐めなさるか」

「ええ相変らずです」

「せんだって、先生こぼしていなさいました。どうも妻が俺のジャムの舐め方が烈しいと云って困るが、俺はそんなに舐めるつもりはない。何か勘定違いだろうと云いなさるから、そりゃ御嬢さんや奥さんがいっしょに舐めなさるに違ない――」

「いやな多々良さんだ、何だってそんな事を云うんです」

「しかし奥さんだって舐めそうな顔をしていなさるばい」

「顔でそんな事がどうして分ります」

「分らんばってんが――それじゃ奥さん少しも舐めなさらんか」

「そりゃ少しは舐めますさ。舐めたって好いじゃありませんか。うちのものだもの」