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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

そうかと思うと櫛とか称する無意味な鋸様の道具を用いて頭の毛を左右に等分して嬉しがってるのもある。等分にしないと七分三分の割合で頭蓋骨の上へ人為的の区劃を立てる。中にはこの仕切りがつむじを通り過して後ろまで食み出しているのがある。まるで贋造の芭蕉葉のようだ。その次には脳天を平らに刈って左右は真直に切り落す。丸い頭へ四角な枠をはめているから、植木屋を入れた杉垣根の写生としか受け取れない。このほか五分刈、三分刈、一分刈さえあると云う話だから、しまいには頭の裏まで刈り込んでマイナス一分刈、マイナス三分刈などと云う新奇な奴が流行するかも知れない。とにかくそんなに憂身を窶してどうするつもりか分らん。第一、足が四本あるのに二本しか使わないと云うのから贅沢だ。四本であるけばそれだけはかも行く訳だのに、いつでも二本ですまして、残る二本は到来の棒鱈のように手持無沙汰にぶら下げているのは馬鹿馬鹿しい。これで見ると人間はよほど猫より閑なもので退屈のあまりかようないたずらを考案して楽んでいるものと察せられる。ただおかしいのはこの閑人がよると障わると多忙だ多忙だと触れ廻わるのみならず、その顔色がいかにも多忙らしい、わるくすると多忙に食い殺されはしまいかと思われるほどこせついている。