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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

「よほど苦心をなすった痕迹が見えます」「あまいとからいと反照するところなんか十七味調唐辛子調で面白い。全く東風君独特の伎倆で敬々服々の至りだ」としきりに正直な人をまぜ返して喜んでいる。

主人は何と思ったか、ふいと立って書斎の方へ行ったがやがて一枚の半紙を持って出てくる。「東風君の御作も拝見したから、今度は僕が短文を読んで諸君の御批評を願おう」といささか本気の沙汰である。「天然居士の墓碑銘ならもう二三遍拝聴したよ」「まあ、だまっていなさい。東風さん、これは決して得意のものではありませんが、ほんの座興ですから聴いて下さい」「是非伺がいましょう」「寒月君もついでに聞き給え」「ついででなくても聴きますよ。長い物じゃないでしょう」「僅々六十余字さ」と苦沙弥先生いよいよ手製の名文を読み始める。

「大和魂! と叫んで日本人が肺病やみのような咳をした」

「起し得て突兀ですね」と寒月君がほめる。

「大和魂! と新聞屋が云う。大和魂! と掏摸が云う。大和魂が一躍して海を渡った。英国で大和魂の演説をする。独逸で大和魂の芝居をする」

「なるほどこりゃ天然居士以上の作だ」と今度は迷亭先生がそり返って見せる。